そのシミ、本当にレーザーで大丈夫ですか?

そのシミ、本当にレーザーで大丈夫ですか?

顔のシミが気になり、「レーザーで取れるのでは?」と考えて受診される方は多くいらっしゃいます。
しかし実際には、すべてのシミがレーザー治療に適しているわけではありません。

特に注意が必要なのが 「肝斑(かんぱん)」 です。


シミと肝斑は、治療法がまったく異なります

シミと一口に言っても、以下のように種類があります。

  • 老人性色素斑(いわゆる一般的なシミ)

  • 肝斑

  • 混在型(シミ+肝斑)

  • 炎症後色素沈着 など

この中で 肝斑は、誤ったレーザー治療によって悪化することがある ため、
治療前の診断が非常に重要です。

当院では、まず専門医がシミの種類を診断し、
その方に適した治療法を選択しています。


当院のシミ・肝斑治療の考え方

当院では
「とりあえずレーザー」
「すぐに強い治療」
は行いません。

診断結果に基づき、必要な治療だけを組み合わせることを大切にしています。


機器治療について

● Qスイッチルビーレーザー

主に 老人性色素斑など、レーザー適応のシミ に使用します。
シミの性質を見極めた上で、適切な出力で行います。

● IPL(光治療)

複数の薄いシミやくすみが混在する場合に選択することがあります。
肝斑が疑われる場合には、慎重に適応を判断します。


内服治療(体の内側からの治療)

肝斑や色素沈着の治療では、内服治療が重要な役割を果たします。

当院では以下を必要に応じて処方しています。

  • シナール(ビタミンC)

  • トラネキサム酸

これらは、肝斑治療の基本となる内服薬です。


医療用医薬品治療(クリニック専売品)

シミの種類や肌状態に応じて、以下の外用治療を行います。

  • トレチノイン

  • ハイドロキノン

皮膚の状態を確認しながら、使用方法・期間を医師が指導します。


スキンケア・化粧品について

治療効果を高め、再発を防ぐ目的で、
以下の化粧品を補助的に使用することがあります。

  • トラネキサム酸配合クリーム

  • アゼライン酸

  • ビタミンCローション

※化粧品のみでの治療を目的とした診療ではありません。


治療内容・回数は一人ひとり異なります

シミ・肝斑の治療は、

  • シミの種類

  • 肌質

  • 生活習慣

  • 既往治療

によって 最適な方法や回数が異なります。

当院では、

  • 不要な施術を勧めることはありません

  • 診断結果と治療方針を丁寧に説明します

ので、初めての方も安心してご相談ください。


自己判断せず、まずは診断を

「シミだと思っていたら肝斑だった」
「レーザーで悪化した経験がある」

そのようなケースは少なくありません。

シミか肝斑かを見極めてから治療することが、結果的に近道です。

気になる方は、まずは診察をおすすめします。