【意外な落とし穴】切り傷に「キズパワーパッド」を貼る前に読んでほしい話

日常生活でうっかり手を切ってしまったとき、皆さんはどうしていますか? 最近は「キズパワーパッド」などのハイドロコロイド材がドラッグストアで簡単に手に入り、愛用している方も多いと思います。

確かに、密閉して傷口を乾かさない「湿潤療法」は、痛みを抑え、治癒力を高める素晴らしい技術です。 ……が!受診の「前」に貼ってしまうと、実はちょっと困ったことになる場合があります。

今回は、なぜ受診前には貼らない方がいいのか、その理由と正しい応急処置についてお伝えします。


1. 「剥がすとき」に傷口がさらに開いてしまう

キズパワーパッドは粘着力が非常に強いのが特徴です。 受診していただくと、私たちは傷の状態を詳しく確認する必要がありますが、その際にパッドを剥がすと、せっかく閉じようとしていた傷口が再びバリッと開いてしまうことがあります。

2. 「感染」のリスクを高めてしまう

ここが一番の注意点です! 「外で転んだ」「汚れた包丁で切った」など、傷口に菌が入り込んでいる可能性がある場合、密閉することで菌を傷の中に閉じ込めて増殖させてしまう(感染を助長する)リスクがあります。


🏥 クリニックに来る前の「正解」応急処置

「でも、出血してるし、何か貼らないと不安……」という時は、以下のステップで処置していただくのがベストです!

  1. まずは清潔な水で洗う: 汚れをしっかり洗い流してください。

  2. 普通の絆創膏を貼る: ケアリーヴやバンドエイドなど、通気性のある一般的なものを貼ります。

  3. 上からガーゼで圧迫: 絆創膏の上からガーゼを当てて、手でしっかり押さえながら来院してください。

    • ※傷口に直接ガーゼを当てると、くっついて剥がすときに痛いので、絆創膏をクッションにするのがコツです!


最後に

傷の状態を確認したあと、「その傷に最も適した処置方法やドレッシング材」をしっかり判断し、お伝えします。

「これって縫う必要がある?」「跡を残したくない!」など、不安な時は自己判断で密閉せず、まずはそのままの状態を見せに来てください。

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院長 大山知樹 (形成外科専門医)