当院における粉瘤のくり抜き法(へそ抜き法)
粉瘤のくり抜き法(へそ抜き法)
粉瘤手術では腫瘤上の紡錐形皮膚とともに袋を取り出し、縫合する方法が一般的です。
良好な視野で確実に取り切れるのと、縫合線をしわに一致させて平坦に縫い合わせることができます。
一方くり抜き法では、一般的に小さな穴をあけて袋の中の内容物(角質)をもみだして袋を縮めて
からその穴から引き出す方法です。きずあとは小さくすみますが、視野が狭いので確実に取り切れない可能性
があるのと、出血した場合などの止血が困難だったり、場所によっては小さくてもきずあとが目立つ可能性も
あります。
当院では小さ目の粉瘤(直径2cm以下)では紡錐形切除(くり抜き法ときずあとの長さがあまり変わらないため)
かなり大きめで感染・炎症したことがなく、袋と表面の皮膚が癒着していない場合にくり抜き法をおこなっています。
くり抜き法の欠点を補うため、切開は4mmではなく、小さ目の紡錐形皮膚切除として確実に袋を除去すると同時に
目立たないきずあとになるように1本線に縫合しています。
大きめの粉瘤で感染・炎症の既往がなく皮膚と癒着のない場合は従来法よりも短いきずあとですみます。
手術全般にいえることですが、どちらかの方法に固執するのではなく病状に応じて臨機応変に最適な術式を
選択することが大事です。